|
「精神病院ってどんなとこ?」
この問いかけに適確に答えられる一般の人は、ほとんどいないと思いま す。
かく言う私も精神科医になるまでは、まったく正確に認識できていませ んでした。
むしろ子供の時、大人たちからいたずらをすれば、しばしば「入れてもらうよ」と嚇かされ、
鉄格子のはまった不気味で、おどろおどろしい場所といった認識を植え付けられて育ちました。
それから30数年、時は経ちましたが、現在においても大半の日本人は、こういったブラックボックス
のような存在として精神病院をとらえているように思います。このような認識が心の病気に対する偏見を生み、
早期に適切な治療を受けるといった機会を摘みとっているひとつの要因になってると思います。
我々、精神科医療に携わる者にとって、来院された患者さんの治療にあたることはもちろん重要ですが、
精神科医療に対する啓蒙に勤め、受診の敷居の高さを取り除く事も、重要な使命と考えています。
今回ホームページを開設するにあたり、以下のようなメッセージを送り、
私のご挨拶に変えさせていただきます。
1.薬物治療の進歩により、入院期間は短縮し、通院加療のみで良好な
経過を得られる例が増加してきています。
2.慢性期の患者さんに対しては、行政機関と協力して社会復帰(back to
the community)にむけて、種々のとりくみを実践しています。
3.体の病気と同様、心の病気も早期に適切な治療を受ける事が
早い回復につながります。
4.精神病院の設備は、大幅に改善が進んできており鉄格子のみられる
病院などは、ほとんどみられません。また行政によるチェックも厳しく、
処遇面での開放化もどんどん進んでいます。
5.体の疲労や変調と同様、心の疲労も根性や気合だけでは
治せません。風邪をひいた時、咳止めや熱さましを服用するのと
同じような感覚で、薬の助けを借りて下さい。
精神安定剤は、決して人格そのものを変えてしまったりする薬では
ありません。
家で独り悶々と悩んでいる方、不安、気分の落ち込みを感じて おられる方、
少し勇気を出して専門医の戸をたたいてみて下さい。
今までの閉塞感から脱出できるかもしれません。
医療法人 豊済会
小曽根病院
院長 西元 善幸
|